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ファイルによるドクター

卒前・卒後教育

卒前教育(臨床実習)

将来どの診療科を専門にしても、どのような医療施設に所属していても、難聴の患者さんは目の前に現れます。その時にどのような対応が必要かを知っておくことは医師として最低限の知識と言えます。内科でのめまいの診察、小児科で急性中耳炎を診察することもあるでしょう。たとえ、外科医であったとしても、診療所での当直中に鼻出血に遭遇する機会はあるでしょう。また、気管切開の必要な患者や嚥下障害の患者などにも出会うことも決して稀なことではありません。こんな折に、医学部5年生で経験した当教室での実習が印象に残っていることを期待して、頻度の高い耳鼻咽喉科疾患を実体験できるような実習を行っています。

近年の大学卒業試験や医師国家試験では、単に知識を問う問題よりも、種々の診察・検査結からどのように考えて回答にたどり着くかが問われることが多くなっています。聴力検査、ティンパノグラム、眼振検査等の検査所見や、側頭骨CT画像、鼓膜所見、咽喉頭ファイバースコピー等、実際の臨床現場を見ていないとわからないような問題も増えています。国家試験までには耳鼻科の臨床を見る機会は臨床実習でしかなく、研修医でも耳鼻科を選択しない場合には医師生涯で最後の機会になります。そのため、当教室での臨床実習がインパクトのあるものでなければなりません。

 

耳鼻咽喉科のBSL実習では1週間という限られた時間の中ですが、手術や、外来診察がプログラムに含まれ、耳鼻咽喉科の臨床を肌で感じられるとともに、解剖・生理の基礎の復習を兼ねて、国家試験問題の検討会を行っています。耳鼻咽喉・頭頸部の診察や、聴力検査、平衡機能検査、喉頭ファイバースコピーなどを実体験することが可能です。耳鼻科の臨床現場を、身を持って体験できるようなカリキュラムを組んでいます。1週間という短いBSL実習を、有意義なものにできるように教室員一同取り組んでいます。

 

学内、学外を問わず、休暇中の自主的な臨床実習を常に受け付けていますので、ご連絡ください。

卒後教育

医師の教育は、大学病院における大きな使命の一つと考えています。特に初学期の内容は将来の技量に大きく関わるため、研修医、専修医の教育を非常に重視しています。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科は守備範囲が広く、そこに含まれる疾患、要求される専門性の高い診療手技は多岐に渡ります。
卒後3年目以降の専門研修では耳、鼻、音声言語・嚥下、頭頸部腫瘍の専門領域をローテートし、耳鼻咽喉科特有の検査、診断、手術手技・術後管理を含めた治療について学びます。 診断の流れ、適切な治療法の選択、予後・合併症などについては、病棟カンファレンスや専門領域別カンファレンス、術前検討会で検討します。また、放射線治療科、内分泌外科、食道外科、消化器内科、形成外科との合同カンファレンスもあります。
頻繁に行われるカンファレンスに参加していることで、疾患自体の学習のみならず、いつの間にかプレゼンテーションスキルも向上します。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科は外科部門の一つであり、一般知識、外来診療手技の他に、手術手技の習得が大きな課題です。
種々の手術における助手に始まり、口蓋扁桃摘出術、鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術、内視鏡下鼻副鼻腔手術、声帯ポリープ切除、頸部リンパ節生検術などの比較的小規模な手術から執刀を担当することになります。基本的な手術手技は、5年目までの習得を目指し、そのあとは各自の専門性により更なる研鑽を積みます。適切な指導者のもと行っていますので、多くの人が目標まで達することができます。
『手術助手業務』は、その文字が表す『執刀医の手助け』のみならず、先輩の手技を間近で観察し、そして外科医の視点から解剖を捉える目を鍛える絶好のチャンスです。

 

尚、5年目に日本耳鼻咽喉科学会専門医試験の受験資格が与えられます。研修内容は試験に照準を当てたものではありませんが、ほぼ100%の合格率であり、質の高い研修内容である事の裏付けの一つとなっています。

 

このプログラムは日々更新されていて、より良いものを目指しています。
多くの若き医師が門を叩いてくれることを待っています。

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